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2021.07.03
保定装置

保定装置の役割の違い


保定とは

歯並びがきれいになり、矯正治療終了とともに、矯正装置を外します。

その後、何もしないでいると、歯は、じわじわと動き出します。

いわゆる、後戻りと呼ばれるものなのですが、そもそも人間の歯は、矯正をしてもしなくても動きます。

特に、下顎の前歯は、動きやすく、矯正治療をしたことのない方でも、昔はきれいに並んでいたのに、少しづつがたがたになって来たといわれる方は、本当に沢山いらっしゃいます。

下顎の前歯は、上顎の前歯に押さえつけられているのと、圧倒的に動きの大きい場所であること、それと、人間の歯は、隙間が空かないように常に後ろから前に力がかかっているので、少しでも並びが崩れだすと、そこに力が集中してさらに崩れがすすむためです。

矯正治療をした場合、とてもきれいに並んでいる分、少しでも動いてしまうととても気になります。

これは、矯正の後戻りでもあり、生体の自然な反応でもあります。

特に、装置を外した直後、6か月間はとても動きやすく注意が必要です。

そのために、後戻りを防ぐための、保定装置を使用します。

保定装置

保定装置には3種類あり、①透明なマウスピースタイプ、②表側にワイヤ、裏側にプラスティックのタイプ、③歯の裏側に細いワイヤーを接着剤で固定するタイプです。

それぞれ役割がことなります。

①透明なマウスピースタイプ

透明なマウスピースで覆うタイプで、審美性に優れ、日中、外出時などに使用していただきます。

この装置の優れた点は、審美的な面と、歯を完全に覆うので、特に前歯の細かい動きを確実に抑え維持することが得意です。

一方、薄い樹脂のため、歯列の幅を正確に維持する能力はあまりなく、その点が弱点です。

②表側にワイヤー、裏側にプラスティックのタイプ

この装置は、噛む面が空いているために、お互いの歯がかみ合い、より、しっくりかみ合わせが良くなる手助けをします。

また、マウスピースに比べると、強度は高く、幅を維持する能力に優れています。外側のワイヤーを調節することで、歯同士の隙間をなくす性能も持ち合わせているので、隙間が空きやすい方にはとてもよい装置です。

問題は、外側にワイヤーがついているため、どうしても装置が見えてしまう点が欠点で、夜間就寝時などに使用していただいております。

③歯の裏側に細いワイヤーを接着剤で固定するタイプ

歯の裏側に細いワイヤーを接着剤で固定するタイプの保定装置もあります。

主に、前歯に使用するのですが、前歯のものすごい細かい動きを治した後など、ほんの少しでも歯が動くことが許されないときは必ず使用します。

また、成人の方で、日中、仕事などでマウスピースを使用するのが難しい方の場合、この装置を装着し、夜間は必ず、他の装置を併用していただきます。

この装置の弱点は、接着剤で止めてあるので、外れる可能性があることと、下顎の前歯の場合、歯磨きをきちんとしないと

歯石が溜まりやすい点が挙げられます。

もし、接着剤が外れてしまうと、歯が動き出してしまうので、とれた場合は早急に来院していただいて、付け直しをします。

このように、保定装置は、それぞれ、利点、欠点があり、用途に応じて使い分けをしています。

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